質屋ナビ.com - 全国の質屋が検索できる質屋の情報サイトです。質屋の買取事例や歴史など、質屋関連の記事も紹介。


質屋の始まりは1200年前の奈良時代 (金貸しと質屋の起源)

そもそも出挙(米貸し)は官営のものだったが、私的に貸し出す出挙も登場していました。官営のものを公出挙、私的なものを私出挙と言います。
私出挙の代表が寺院や当時の官僚たちによるもの。当時は私的な資本の蓄積というのはなかったから、一見公的とも思える寺院などが私出挙という米貸しに手を出していたのです。

このような米貸しの出挙は貨幣の流通が広範にわたってくると、当然のように金貸しに転じていきました。
銭の流通が進むと資本の蓄積も一部でなされ、質屋も登場します。 質屋の商売自体はシンプルですが、金利の計算が必要だったため、やはり当時のインテリ層である僧侶が中国から導入し、始めたものでした。(斉藤博「質屋史の研究」)

お金の出挙と質屋については、聖武天皇が修多羅供事のために仏教寺院に宝物を寄贈した30年後、奈良時代の宝亀10年(779)に記載があります。
このことから、質屋の始まりは少なくとも1200年前には存在したと分かります。

続日本紀では、
「近年、人民は競って利潤を求め、わずかな銭を出挙して多くの利息をむさぼり得たり、重い負担のある契約を交わして、無理に 質材を責め取ったりしている。幾月も経たないうちにたちまち利息は元金と同じになる」
としたうえで、

「利子は10割を超えてはならない。もし心を改めずに貸し付けた不正な手段で得た金品を取り上げ、それを告げた者に賜ろう。物の持ち主に対してだけでなく、質物を売ったものもまた同罪である」
と、違反者には徹底的な制裁を加えることとしています。

返済できない債務者については、数か月ごとに利息を元本に繰り入れて計算するのが当時の金貸しの手口でした。
米の出挙が銭の出挙に代わって、貸し手の熱意は一段と増したようです。
証書の書き換えという手口を早くも思いついています。

これは、払えない場合に元本と金利の合計額を「借り直す」制度で、どんどん負債額が増えるという貸し手に都合の良い仕組みでした。
(この証書の書き換えは、江戸時代まで一般的に行われていますが、現代では当然ながら廃止されています。)

話を戻すと、銭の便利なところは、種籾よりさらに保管が効いて、小さな物体で高い価値になることでした。
すると何が起こったかというと、必要以上にたくさん借りる債務者が出てきました。米の出挙の時代も返済に困った債務者はたくさん出ましたが、銭の出挙によってその傾向が強まったことは間違いないでしょう。

質屋ナビトップへ
質屋ナビ.com
- 質屋の情報サイト
このサイトについて

・質屋の基礎知識
質屋のシステム
質流れについて

・全国のおすすめ質屋リスト
北海道青森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川新潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

・江戸時代の質屋/金融事情
質屋にはどんなものを持ち込んだ?
高利貸しの金利はどのくらい?
江戸で活躍した「札差」とは
見倒屋は何でも買い取る古物商
古着屋でそろわないものはない?

・金貸しと質屋の起源
金貸し業の始まりは仏教イベント
利息稼ぎは「米貸し」が起源
米は神様から借りたもの
出挙(米貸し)は昔の年金制度だった
質屋の始まりは1200年前の奈良時代

・質屋の買取事例
ダイヤモンドの買取事例
ルビーの買取事例
ヒスイ(翡翠)の買取事例
エメラルドの買取事例
パール(真珠)の買取事例
ブルガリの18金リングの買取事例
カルティエのトリニティリングの買取事例

・宝石の評価と査定の基礎知識
カラット数と買い取り金額の関係
ダイヤモンドのカットについて
ダイヤモンドのカラーについて
ブランドの指輪と買い取り額の関係


(C) 質屋ナビ.com All rights reserved.